約1分で読めます
Miaru の復習のしくみ:覚えた単語が、ちょうどいい時に戻ってくる
Miaru で覚えた単語はどうなる?単語ごとの復習スケジュール、1 日・6 日・15 日と伸びる間隔、そしてあなたの答えが変えることを紹介します。
- spaced-repetition
- miaru
- learning-science
間隔反復の記事では、学習研究の中でも特によく確かめられている考え方を紹介しました。少し復習して、少しあとでもう一度、さらにあとでもう一度。そうすると記憶はずっと長く残ります。ただ、知っていることと続けることは別の話です。何百もの単語について「次はいつ復習するか」を自分で管理するのは大変で、多くの人は言語より先にカレンダーをあきらめてしまいます。だから Miaru では、そのカレンダーをアプリが受け持ちます。この記事では、その中身をお見せします。単語を覚えたあと何が起きるのか、次にいつ出てくるのかを Miaru がどう決めるのか、そしてあなたの答えが何を変えるのか。
研究のポイントをひとことで
学習は、一度に詰め込むより分けたほうが効きます。数百の実験をまとめたレビューでは、同じ量の練習でも、間隔をあけたほうが長期的によく思い出せることがわかりました (Cepeda et al., 2006)。しかも、最適な間隔は「どれだけ長く覚えていたいか」に合わせて伸びます。テストが先になるほど、学習の間にあける最適な待ち時間も長くなるのです (Cepeda et al., 2008)。そして復習は、読み直すのではなく思い出す形がいちばんです。学生がスワヒリ語の単語を覚えた研究では、思い出す練習のほうが、もう一度勉強し直すよりも 1 週間後の記憶をはるかに大きく伸ばしました (Karpicke & Roediger, 2008)。Miaru はこの 3 つの発見の上に作られています。
単語ごとに、自分だけのスケジュール
レッスンを終えると、Miaru はそのレッスンで練習した文字、単語、文のひとつひとつに復習の記録を作ります。どれにも専用のスケジュールがあり、コースごとに管理されます。だから、あるユニットで出会った単語に別のユニットでまた出会っても、その単語の履歴はひとつのままです。
スケジュールのもとになっているのは、Piotr Wozniak が SuperMemo のために考えたアルゴリズム SM-2 です (Wozniak, 1990)。ルールはシンプルです。1 回目の復習は 1 日後、2 回目はその 6 日後。そこから先は、前の間隔にその項目の「やさしさ係数」をかけたものが次の間隔になります。係数は 2.5 から始まります。Miaru で毎回正解し続けた単語は、こんなふうに戻ってきます。
- 覚えた 1 日後
- その 6 日後
- さらに 15 日後
- さらに 38 日後
- さらに 95 日後
5 回の復習で 5 か月を超えます。研究が教える「長くより、あとで」を、単語ひとつずつ、アプリが代わりにやってくれるわけです。
ひとつの単語の、次の復習までの日数。上:毎回正解した場合。下:一度間違えた場合。翌日に戻ってきて、そこからまた積み上がります。Miaru の SM-2 の設定 (Wozniak, 1990) で、答えを「ふつう」と評価した場合として計算。
あなたの答えが変えること
単語のスケジュールを動かす答えは 2 種類あります。
問題
レッスンや復習で単語について出題されたとき(選択問題、ペア合わせ、聞き取り、翻訳)、正解は「しっかり覚えていた」として数えられ、次の間隔が伸びます。不正解は「忘れていた」扱いです。
フラッシュカード
単語がフラッシュカードとして戻ってきたら、めくって、どのくらい覚えていたかを 4 つのボタンで答えます。
- もう一度:覚えていなかった。「忘れていた」扱いになります。
- 難しい(難しかった):時間はかかったけれど思い出せた。次の間隔は伸びますが、その単語のやさしさ係数が下がり、そのあとの間隔の伸び方がゆるやかになります。
- ふつう(覚えていた):いつもどおり一歩前へ。
- かんたん(簡単だった):間隔が伸び、やさしさ係数も上がるので、次はもっと長く間があきます。
ここは正直に答えるのがコツです。半分しか思い出せなかった単語に「難しい」をつけるのは、立派な情報です。「ふつう」より早くその単語を呼び戻してくれます。また、同じレッスンの中でカードに「ふつう」をつけても、その単語を問題で間違えたら、間違えたほうが優先されます。思い出せなかった単語を、楽観的な気分だけで遠くへ送るわけにはいきません。
間違えたとき
間違えることは失敗ではありません。仕組みがきちんと働いている証拠です。忘れていた単語は、復習の積み上げをもう一度やり直します。翌日に戻ってきて、その次の日にもう一度、それから 6 日後、そこからまた伸びていきます。間違えてもやさしさ係数は下がらないので、思い出せるようになれば、間隔は前と同じペースで伸びていきます。
復習はどこに出てくるの?
復習する項目を自分で探す必要はありません。2 つの場所に、向こうからやってきます。
(画面は英語版アプリです)1. コース画面に、復習する項目の数が出ます。2. レッスンの最初に出てくる復習カード。「もう一度」「難しい」「ふつう」「かんたん」で評価します。3. 問題も数に入ります。正解すると、その文字の次の復習が先に延びます。
レッスンの中で
どのレッスンにも、復習の時期が来た項目が古い順に最大 8 つまで入ります。そのレッスンでどうせ教える単語が選ばれることはありません。かな、ハングル、漢字のような文字のレッスンでは、復習の時期が来た文字が、レッスン最初のフラッシュカードの束の先頭に入り、それぞれに「復習」のしるしがつきます。日常の単語や文で組み立てるレッスンでは、復習の時期が来た単語と文が優先されます。フラッシュカードとして、そして新しい内容に混ざった問題として出てきます。だから、次のレッスンを進めるだけでも、前に覚えた単語はちゃんと戻ってきます。
復習ラウンドで
復習の時期が来た項目があると、コース画面に「復習が 39 件あります」のように件数と「復習する」ボタンが出ます。1 回のラウンドでは、そのコースから復習の時期が来た項目を古い順に最大 15 個取り出し、それぞれを本物の問題として出題します。
- 文字は、その文字のレッスンと同じ形で
- 単語は選択問題で
- 文は翻訳で
問題にできない項目だけが、自分で評価するフラッシュカードになります。ラウンドでは答えを見せられるのではなく試されるので、想起練習と間隔反復を同時にやっていることになります。私たちの 2 つの記事で紹介した考え方が、ここで手を組んでいるわけです。
復習の時期が来た項目をひとつでも復習してラウンドを終えれば、レッスンと同じように連続記録の 1 日に数えられます。XP ももらえます。復習の時期が来た項目に 3 つ正解するごとに 1 ポイント、1 ラウンド最大 5、1 日最大 10 です。
無料プランと Plus
無料プランでは、復習ラウンドは全コース合わせて 1 日 1 回です。ラウンドを開くだけでは使ったことにならず、何かを復習して終えたときだけ数えられるので、うっかりタップしても損はありません。次のラウンドは、あなたの次の日の始まりに開きます。レッスンの中の復習カードは、誰にでも、どのレッスンにも入ります。Miaru Plus なら、復習ラウンドを好きなだけできます。
昨日覚えた単語をもう忘れてしまう? それはあなただけではありません。この短い動画では、Luffy も同じ目にあっています。
いちばん効く使い方
1. 新しいレッスンの前に復習をすませる
復習の時期が来た項目は古い順に出てきます。いちばん古いものほど、記憶から抜け落ちる寸前です。次のレッスンの前に短いラウンドをやっておけば、まだ取り戻しやすいうちに片づけられます。
2. 正直に評価する。特に「難しい」
ぎりぎり思い出せた単語に「ふつう」をつけると、本来より遠くへ送られてしまいます。「難しい」なら近くにとどめてくれます。あやふやな単語に必要なのは、まさにそれです。
3. めくる前に言ってみる
フラッシュカードでは、タップして答えを見る前に、声に出すか頭の中で答えてみましょう。先に思い出すことで、ただの読み直しではなく想起練習になります。
4. たまった復習を怖がらない
1 週間あいだがあくと、たくさんたまっているかもしれません。大丈夫です。1 回のラウンドは最大 15 項目、古い順で、残りは順番を待ちます。短いラウンドを数日続ければ片づきます。
Miaru で試してみよう
Miaru は、すべてのコースでこのスケジュールを使っています。今日いくつか単語を覚えれば、アプリが明日、来週、来月、忘れる少し前に呼び戻してくれます。外国語を話すには単語をいくつ覚えればいいかの記事で見たように、しっかり身についた少しの単語が遠くまで連れていってくれるのも、そのためです。表紙では、Luffy が軌道から帰ってきた単語カードを受け止め、相棒の AI がさらに外側から次のカードを送り返しています。
References
- Cepeda, N. J., Pashler, H., Vul, E., Wixted, J. T., & Rohrer, D. (2006). Distributed practice in verbal recall tasks: A review and quantitative synthesis. Psychological Bulletin, 132(3), 354–380. https://doi.org/10.1037/0033-2909.132.3.354
- Cepeda, N. J., Vul, E., Rohrer, D., Wixted, J. T., & Pashler, H. (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychological Science, 19(11), 1095–1102. https://doi.org/10.1111/j.1467-9280.2008.02209.x
- Karpicke, J. D., & Roediger, H. L. (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science, 319(5865), 966–968. https://doi.org/10.1126/science.1152408
- Wozniak, P. A. (1990). Application of a computer to improve the results obtained in working with the SuperMemo method. SuperMemo. https://www.supermemo.com/en/blog/application-of-a-computer-to-improve-the-results-obtained-in-working-with-the-supermemo-method

